実践機械システムの振動 実機振動問題の簡易解析/松下修己/小林正生
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510867465
商品説明
【内容紹介】
【著者からのメッセージ】
著者らがコンサルタント業務の中で実際に遭遇したトラブルとその解決策や、講習会で話題になったテーマを整理しまとめたものです。制御工学を含むより広い視野から振動全般を念頭に執筆しました。機械振動関係の仕事に関わる人にとって、振動問題への遭遇とその解決業務は、ほぼ全員が辿る道と思われ、本書がその役に立つことを望むばかりです。
【各章の説明】
第1章…実機のモデル化としてモード解析が有名であるが、軸受やシールのように回転数で変化する境界条件には不向きである。代わるものとして、境界条件の変化に強いGuyan法やモード合成法を推奨し、得られたモデルの精度を比較し、両者の優劣を論じた。
第2章…油軸受の動特性に関し、クロスばねKcはダイレクト減衰Cdに回転数Xを乗じた剛性のm倍、すなわちKc=mXCdと考えられる。この状況では、クロスばねの振動不安定化要因mXは回転上昇とともにその勢いを増し、自励振動が発生する。これは「Bently− Muszynskaのmモデル」と呼ばれる。この考えを踏襲、発展させた安定性診断法を提案する。
第3章…タービン翼振動と回転軸のねじり振動は翼軸連成振動問題として有名で、ISO 22266で規定されている。しかし、この考えは不十分で、軸の縦振動もこの連成に加えることで精度が向上することを本章で例証する。また、羽根車振動と回転軸の横振動の連成振動問題にも言及する。本章では、現行での最高レベルの連成解析の根幹を紹介する。
第4章…最も腐心した章で、本書の特長をなす。ニュートンの運動方程式から始まる従来の考え方に代わって、ここではラプラス変換後のs領域のブロック線図で系を表す。n回微分をsnに頭を切り替えて、システムを伝達関数で表すため機械系の視点は制御系の知見に移る。同時に、従来の固有値解析は開特性(一巡伝達関数)の分析・チューニングに変わる。そして、実機で遭遇するであろう機械系特有の弾性振動問題の解決法が制御系アプローチから解釈される。これを「知能機械の力学」と呼ぶ。
第5章…動吸振器は強制振動の共振振幅低減のために有効で、その最適設計理論は広く知られている。しかし、自励振動防止にも有効であることを最近の研究で再確認、最適設計法を導出したので本章で紹介する。
第6章…ロータ系では、油軸受動特性が回転数に依存するため、厳密には、複素固有値計算については回転数ごとに実施しなければならない。しかし、その回転数変更のたびに計算する現状の方法では無駄が多いので、回転数・境界定数の変更ごとに特性方程式を満足するように「少しずつ固有値を修正していく」という観点から、固有値解を追跡する手法を開発した。回転数を時間と見て、固有値解を連続的に時刻歴応答のように求める方法である。
第7章…v_BASE に収められている事例から、モータの音響騒音やTPJB、蒸気タービン制御弁、アクティブ防振制御、モータ駆動系ねじり振動など5事例を選び、演習問題として解説した。
【著者からのメッセージ】
著者らがコンサルタント業務の中で実際に遭遇したトラブルとその解決策や、講習会で話題になったテーマを整理しまとめたものです。制御工学を含むより広い視野から振動全般を念頭に執筆しました。機械振動関係の仕事に関わる人にとって、振動問題への遭遇とその解決業務は、ほぼ全員が辿る道と思われ、本書がその役に立つことを望むばかりです。
【各章の説明】
第1章…実機のモデル化としてモード解析が有名であるが、軸受やシールのように回転数で変化する境界条件には不向きである。代わるものとして、境界条件の変化に強いGuyan法やモード合成法を推奨し、得られたモデルの精度を比較し、両者の優劣を論じた。
第2章…油軸受の動特性に関し、クロスばねKcはダイレクト減衰Cdに回転数Xを乗じた剛性のm倍、すなわちKc=mXCdと考えられる。この状況では、クロスばねの振動不安定化要因mXは回転上昇とともにその勢いを増し、自励振動が発生する。これは「Bently− Muszynskaのmモデル」と呼ばれる。この考えを踏襲、発展させた安定性診断法を提案する。
第3章…タービン翼振動と回転軸のねじり振動は翼軸連成振動問題として有名で、ISO 22266で規定されている。しかし、この考えは不十分で、軸の縦振動もこの連成に加えることで精度が向上することを本章で例証する。また、羽根車振動と回転軸の横振動の連成振動問題にも言及する。本章では、現行での最高レベルの連成解析の根幹を紹介する。
第4章…最も腐心した章で、本書の特長をなす。ニュートンの運動方程式から始まる従来の考え方に代わって、ここではラプラス変換後のs領域のブロック線図で系を表す。n回微分をsnに頭を切り替えて、システムを伝達関数で表すため機械系の視点は制御系の知見に移る。同時に、従来の固有値解析は開特性(一巡伝達関数)の分析・チューニングに変わる。そして、実機で遭遇するであろう機械系特有の弾性振動問題の解決法が制御系アプローチから解釈される。これを「知能機械の力学」と呼ぶ。
第5章…動吸振器は強制振動の共振振幅低減のために有効で、その最適設計理論は広く知られている。しかし、自励振動防止にも有効であることを最近の研究で再確認、最適設計法を導出したので本章で紹介する。
第6章…ロータ系では、油軸受動特性が回転数に依存するため、厳密には、複素固有値計算については回転数ごとに実施しなければならない。しかし、その回転数変更のたびに計算する現状の方法では無駄が多いので、回転数・境界定数の変更ごとに特性方程式を満足するように「少しずつ固有値を修正していく」という観点から、固有値解を追跡する手法を開発した。回転数を時間と見て、固有値解を連続的に時刻歴応答のように求める方法である。
第7章…v_BASE に収められている事例から、モータの音響騒音やTPJB、蒸気タービン制御弁、アクティブ防振制御、モータ駆動系ねじり振動など5事例を選び、演習問題として解説した。
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